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3月6日より公開が開始された「映画ドラえもん のび太の人魚大海戦」。原作となった短編作品はてんとう虫コミックス41巻等に収録された「深夜の町は海の底」です。今年は映画ドラえもんの30周年。声優さんが交代されてからの5作品目で、その中のオリジナル作品としては2つ目となります。

先日開催された「大人だけのドラえもんオールナイト」にて本作を鑑賞できました(オールナイトの感想は前回のエントリ)。前売券も購入済みの為、少なくとももう1度は見に行くつもりですが、ひとまず1回目の感想をあげておきます。多少のネタバレはありますので、これから鑑賞する方はご注意下さい。

【よかったところ】
まず最初に「人魚」がテーマと知ったときは正直どうなんだろうと思いましたが、この設定が意外とよかったです。一般にイメージされる「人魚」とは異なる設定のおかげで舞台を地上にも宇宙にも移すことができ、世界観が自然と広げられていたし、ドラえもんが「動物ごっこ帽子」や「バードキャップ」のような便利なひみつ道具を出したわけではない点がとても新鮮でした。また、冒頭での人魚についての言い伝えの解説シーンのおかげで自然に作品世界へ入っていくことができました。フィクションはフィクションだけれども、嘘を完全な嘘にしない、現実と作品世界につながりを感じさせる演出はとても大切なものだと私は思っています。このあたりでのワクワク感は、「南海大冒険」以降の数あるオリジナル作品の中でもトップクラスだったと思います。

もうひとつの期待できたシーンが「宝さがしペーパー」。あぶり出されたヒントで、これからのストーリーの進行がとても気になったし、メジーナ博士らゲストキャラクターを登場させる自然な導入にもなっていました。「宝さがしペーパー」については、結果的には残念なことになったのでそれは後述しますが、今作でのゲストキャラクターはよかったと思っています。普段テレビをあまり見ない私なので、芸能人には明るくないないのですが、真矢みきさん、ケンドーコバヤシさん、温水洋一さん、さかなクン、と例に漏れず豊富な芸能人枠でありながら、皆さまキャラクターにしっかりはまっていました。芸能人枠は外すことのできない事情があるのでしょうが、こういったキャスティングであれば大きな批判は出ないのではないかな、と思いました。

そして、物語の導入でもある架空水の存在。最初の方で描かれた、架空水にすっかり浸かったいつもの町並みには「おおーっ」と思いましたし、短い描写ではありましたが架空水面シミュレータポンプの内側からの視点にもハッとさせられました。ポンプが最後の切り札として使われたのも新鮮味があって面白かったです。もうほんの少し分かりやすくする描写があればよりよかったとは思います。

【残念だったところ】
これは違うだろ…?という場面の筆頭が、星を見つけられなくて逃げ出したスネ夫が責められるシーン。皆が一致団結しているところをスネ夫だけが「無理だよ、できっこないよ」と言い出すが、皆に諭され結束力が高まる…という過去の映画ドラえもんでも定番の構図ですが、違和感がありました。というのも、頑張れば何とかなると思い込んでいるのび太らと違い、スネ夫はとても現実的な立場にいつもいたはずだから。「日本まで歩けるわけが無い」、「大軍相手に勝てっこない」と至極まっとうなものの見方をする、視聴者の代弁者でもあり、「寒かったから」という理由で困っている当人(ソフィア)を目の前に逃げ出すような無責任キャラではなかったと思う。製作側の狙いとしては、いつものように全員が強く結束する様子を描くことにあったのでしょうが、星が見つからない、ソフィアが「もういい」と言うからあきらめて無かったことにする…という展開自体が多少無理があったように思うし、せっかく星座の話題を出したのに後々あまり活かすことができていなかったのも残念でした。

星座の話とも関連しますが、残念だった点の2つ目は、上でよかった点に挙げた「たからさがしペーパー」。オールナイトでのトークショーで(たしか)司会者から「真保裕一らしい推理要素あり」のような紹介のされ方を(本当にごくさらっとですが)されたことで余計な期待を抱いてしまったのかもしれないですが、「5つの光が~」等といった謎の部分が完全に何でも無くなってしまった点がすごく残念でした。5つってドラえもん達5人のことかな、それともアクア星と4つの月のことかな、とワクワクした気持ちが全部持っていかれた思いです。ぎょしゃ座と餃子のダジャレの為だけに星座を出したわけでは無いでしょう。割とちゃんとした設定が本当はあったように思いましたので、構想段階ではもっと色々なネタが練られていたことと思います。


こんなところでしょうか。実のところ、上で挙げた残念だったところ(ポンプの描写含む)は、コミック版の「人魚大海戦」では全て異なる描かれ方をしています。そして、わざわざ書くまでもないような、私が感じた細かな疑問点の多くも同様にコミック版では合点のいく描かれ方がされているケースが多いです。前半のワクワク感、丁寧に描写された舞台設定と裏腹に、中盤以降のジェットコースタームービーぶり(とまでいうと言いすぎですが)は一重に時間の不足だと思います。時間というのは、製作側の時間もそうですし、映画としての尺も含めて両方です。話の大筋は例年と比べても簡単で分かりやすいものでしたが、その中に多くの要素を詰め込み、過去の作品へのオマージュらしいシーンもうまく取り入れられていました(過度の演出は個人的には良し悪しだと思っていますが)。一時期顕著に見られた「地球を大切に…」的な要素もくどくない程度に織り込まれ、全体的に面白い映画になっていました。個人的には星座のくだりとドラミ登場は不要だったような気がするのと、曖昧な言い方で申し訳ないですが全体的なテンポがもう少し良ければ文句なかったかな、と思います。

冒頭に書いた通り、声優さんが変わって5作目の映画。声優さんが変わると同時に映画ドラえもんも新たな作品へと変わりました。南海大冒険からワンニャン時空伝と同じように作っていく、ある意味無難な方針をとることもできたはずですが、過去の映画版とも今のアニメ版とも違う世界を作り上げ、原点に帰って「のび太の恐竜」のリメイク作品での再開を選んだ経緯には相応の覚悟があったことと思います。一昨年の「緑の巨人伝」を見た時に感じた「内心リメイクするなと思ってたけど、オリジナル作品は無理なのかな…」という思いは、今年の作品で払拭されました。リメイクの年もうまく挟んで、面白いオリジナル作品が毎年見られるようになるのが楽しみです。

【おまけ?】
一部ではすっかり噂になっていますが、来年度作品は予告からして「あれ」でしょう。あまり良く思わない声が既に聞こえ出していて少々気がかりですが、スタッフの皆様に期待するしかないと思っています。でもひとつだけ。主演ゲストには、絶対に本職の声優さんを当てて下さい。来年も期待しています。
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